ハートフォードのS&W M19をレストア

メーカーの公式ブルーイング

トイガンのブルーイングというとユーザーが個別に対応するイメージがあると思います。
メーカーやショップがブルーイングして販売するというのはレアなケースです。
今回はそんなレアなお品物、ハートフォードにてブルーイングされたS&W Mod.19のレストアのご依頼のお話です。


これまで、ハートフォードのブルーイングは、大阪のショットショーで何度か見たことがありますが、いずれもショーケース越しで、手にしたのは初めてでした。

さて、依頼者の方より送られてきたブルーイングM19。
当初は綺麗だったんだろうなという面影は見えますが、経年変化でアレや変色が見られます。

「ファクトリーブルーイング」を何とか蘇らせてあげればと思ってお引き受けしました。

特に金属パーツはケースハードゥン風の処理がされていたかと思いますが、錆が発生して表面が真っ白に粉を吹いています。
まずは、これを磨いてすっきりしていきましょう。

金属パーツの磨きだし


亜鉛合金部品は劣化が見られましたので、表面を磨き出します。
ブルー液を使ったケースハードゥン風加工。
被膜がほとんどないため放っておくと表面が粉を吹きます。
この劣化部分をパーティングラインや金型のずれなどと一緒に一皮むきます。
またハンマー部分はチェッカリングの目立てをしてシャープになるよう細部を整えます。
せっかくのレストアですから、メーカーでは対応できなかった部分にも手を入れます。

少し腐食のあとが残っています。
ただ、削りすぎると強度に影響しますので、ほどほどにとどめておきます。


リアサイトもパーティングラインが残っています。
細かいパーツですが、きちっと角が出るように処理することで引き締まります。

フレームラグ


最近再販されたM19はフレームラグの形状が修正されています。
今回の素材は、古い金型のえぐられたような形状のタイプです。
これも削り落とし、別パーツにて作成したパーツを取り付けられる穴を開けます。
今回は6mmの鉄棒を加工して取り付けています。




下地処理もほどほどのところでとどめられており、サンドペーパーで研磨された後の平面もそれほど綺麗には仕上げられてはいません。
こちらもできる限りフラットにムラのないよう丁寧に研磨しました。

刻印


刻印はメーカー出荷時のままです。
現在流通しているのは「MADE IN U.S.A.」になっていますが、レストア対象のこのモデルは「HWS」です。
せっかくですから打ち直しましょう。

サイドプレートのロゴも深く彫りなおします。
再販されたHWSのM19をいくつか持っていますが、いずれも刻印位置はサービスサイズグリップが標準装着となる、M10、M19と同じ位置となっています。
この位置だとターゲットサイズのグリップをつけるとロゴが隠れてしまうのです。
せっかく打ち直すんだからと刻印の位置も本来のM19の位置に変更しています。

というわけで完成した写真です。

グリップはサービスサイズを取り付けています。 ブルーイングしてもオーバーサイズだと見えない部分がありますが、サービスサイズだと手抜きできません。





リアサイトもカチッと仕上げました。

この角度からだとフレームラグの形状が確認できます。




写真のオーバーサイズグリップも仕上げなおしています。

マグナムリボルバーですからオーバーサイズグリップがデフォルト。サイドプレートのロゴもグリップで隠れません。


タナカからもM19が発売されました。
動作や造形の点では最新型が有利ですが、リセスシリンダーでレッドポイントではないフロントサイトがなどが特徴の初期型M19を再現したハートフォードも良いのではと思います。
コクサイなき後、M19モデルガンの選択肢が増えた状況を歓迎したいと思います。



1 件のコメント :

  1. Vincent様
    おかげさまで10数年前のM19が全く別物と言ってもいいぐらいリアルにシャープに蘇りました。

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