モデルガンのカスタマイズといえば、グリップ交換がお手軽です。
今回は貴重なNフレームのターゲットグリップをレストアします。
ダーティーハリー2のオープニングで印象的なタイプですね。
貴重なグリップの再塗装は賛否があると思います。
オリジナルではなくなりますので、反対される方もいらっしゃるでしょう。
でもせっかくのグリップ。
汚いままよりは綺麗な方が気分よく手にすることができます。
また、痛んだままの塗装では汚れも付着しやすいですし、最悪乾燥してヒビが入ることもあります。
再塗装といっても、全体にサンドペーパーをかけてつるつるに塗装するつもりはありません。
なるべく木材部分には手を加えずに、オリジナルの切削痕等を残したままレストアします。
このグリップは後部に木の節があり、やや形状が滑らかでないところがあります。
ここもそのまま手を付けずレストアします。
これまでは、オーナー様のご意向でグリップをレストアする機会が何度かありました。
その都度できるだけオリジナルを損ねない手法でレストアすることを心掛けてきました。
今回もこのポリシーを守り作業します。
さてこのグリップ、オーナー様より塗装剥げと傷があるということで送られてきましたが、想像以上に綺麗なものでした。
チェックリングの山が摩耗して、目立て直しが必要かと思いましたが、
そんなのは不要なくらいの綺麗なものでした。
ただ、あちこち塗装剥げや曇り、メダリオンの錆がありました。
そこでクリーニングと再塗装することとします。
まずは、塗装の剥がれ、痛み。(グリップ下部)
いつもなら「無水エタノール」を使うのですが、コロナ禍で使うのは気が引けます。
今回はガソリン車用の水抜き剤を使いました。
成分はほぼIPAですので、アルコールの代用(というかそのもの)となります。
コットンパフに取り、全体の汚れをふき取ります。
メダリオンの汚れも綺麗に落ち、上からシェラックでコーティングされています。
メダリオンの銀色がシェラックの淡いベージュでグリップになじみます。
ナットも汚れていましたのでクリーニングしています。
こちら側はグリップ下部に塗装の痛みがありましたが、綺麗に仕上げることができました。
美しい木目も程よいフレンチポリッシュで引き立ちます。
今回は貴重なNフレームのターゲットグリップをレストアします。
ダーティーハリー2のオープニングで印象的なタイプですね。
貴重なグリップの再塗装は賛否があると思います。
オリジナルではなくなりますので、反対される方もいらっしゃるでしょう。
でもせっかくのグリップ。
汚いままよりは綺麗な方が気分よく手にすることができます。
また、痛んだままの塗装では汚れも付着しやすいですし、最悪乾燥してヒビが入ることもあります。
再塗装といっても、全体にサンドペーパーをかけてつるつるに塗装するつもりはありません。
なるべく木材部分には手を加えずに、オリジナルの切削痕等を残したままレストアします。
このグリップは後部に木の節があり、やや形状が滑らかでないところがあります。
ここもそのまま手を付けずレストアします。
これまでは、オーナー様のご意向でグリップをレストアする機会が何度かありました。
その都度できるだけオリジナルを損ねない手法でレストアすることを心掛けてきました。
今回もこのポリシーを守り作業します。
さてこのグリップ、オーナー様より塗装剥げと傷があるということで送られてきましたが、想像以上に綺麗なものでした。
チェックリングの山が摩耗して、目立て直しが必要かと思いましたが、
そんなのは不要なくらいの綺麗なものでした。
ただ、あちこち塗装剥げや曇り、メダリオンの錆がありました。
そこでクリーニングと再塗装することとします。
傷と塗装剥げチェック
まずは、塗装の剥がれ、痛み。(グリップ下部)
メダリオンの錆。緑の錆が出ています。
こちら側は、メダリオンの錆、傷、塗装痛み。
アラ探しみたいになりましたが、年代等を考えても綺麗なグリップだと思います。
まずはクリーニング。
いつもなら「無水エタノール」を使うのですが、コロナ禍で使うのは気が引けます。
今回はガソリン車用の水抜き剤を使いました。
成分はほぼIPAですので、アルコールの代用(というかそのもの)となります。
コットンパフに取り、全体の汚れをふき取ります。
大体拭き取れれば、ティッシュに水抜き剤(IPA)をしみこませ、グリップを湿布します。
しばらくしたら、表面の塗装が柔らかくなるので、木材部分を削らないようスクレーパーで古い塗装を剥ぎ取ります。
左側が塗装剥離後、右は未処置です。
木材の導管に入っている塗料を取り除くとなると、サンドペーパーをかけねばなりません。
サンドペーパーは使わず、最後はシンナーで拭いて、表面の艶がなくなる程度でとどめます。
綺麗とはいっても無傷のグリップではありません。
メダリオン横のここの傷は、傷に汚れが入って黒くなっています。
目につくところでありますので、ここの傷だけは処置します。
使うのはサンドペーパーではなく、植物のトクサ。
サンドペーパーは部分的に使うと削れ過ぎて、磨いていないところとの質感に差が出来てしまいます。
ほとんど目立たなくなりました。
これ以上削ると形が変わってしまいますので、ほどほどにとどめます。
縦横無尽に削れるサンドペーパーと違って、トクサは表面を一方向のみ削り取ることができます。
そのため傷が入りづらく表面を滑らかにすることができるので、一部分だけ削るこういう時は案外使いやすいです。
何より金属は削れませんので、メダリオンを傷つける心配がありません。
実家に生えているトクサを刈り取り干して使用しています。
メダリオンのクリーニング
メダリオンとその周囲も汚れが目立ちます。
ここは金属の黒ずみがメダリオン周辺部にも及んでいますので、クリーニングします。
使うのは、カネヨの「クリンボーイ」。
クリーンボーイではなく「クリン」ボーイです。
水洗いできない部分の汚れを浮き上がらせてくれます。
クリンボーイをメダリオンに塗り付けた後、しばらく待つと茶色い汚れが浮き上がってきます。
これをふき取り、またクリンボーイを塗布してを繰り返し綺麗にします。
完了後は、また水抜き剤(IPA)で脱脂。
チェッカリングも痛みは少ないですが、木くずや汚れがそれなりにたまっています。
これは歯ブラシや爪楊枝、綿棒など身の回りの物を使って掃除します。
グリップのレストアの工程のほとんどは、こうしたクリーニングに費やされるのです。
いよいよ塗装
以前もグリップのレストアには、シェラックを使いました。
カイガラムシの分泌液を精製して固めたものです。
ラッカー塗料が発明される前から、家具やバイオリンなどの楽器の仕上げに使われてきました。
ラッカーという名前は、このシェラックを分泌するラックカイガラムシの「ラック」からラッカーと名付けられたとか。
このシェラックフレークをアルコールに溶かして使用します。
コットンパフを綿布でくるんだタンポに少量ずつつけ、表面をなでていきます。
最初はするする動かせますが、だんだん溶けた塗料の粘り気が出て擦れなくなってきます。
そこで登場するのは油です。
塗装するのに油を使うのは変な感じですが、油を使用すると抵抗がなくなり、タンポを滑らかに動かすことができます。
シェラックの付いたタンポに、少しだけ油をつけて磨くのです。
シェラックを用いた塗装は「フレンチポリッシュ」と呼ばれていますが、ひたすらシェラックをタンポにつけて擦る手法です。
このフレンチポリッシュ、最後は、タンポにアルコールのみをつけて処理します。
最終工程で、油はアルコールで除去されるという仕組みです。
オリーブオイルとかが使われるようですが、今回は椿油を使用しています。
植物油なら何でもよいと思われます。
いよいよレストア完了
シェラックを使用したフレンチポリッシュが終わりました。
ニスだと乾燥が遅いですが、フレンチポリッシュはアルコールを使用しするため乾燥が早く一晩で完全に乾きます。
また、タンポで擦りながら仕上げるため最後に仕上げが必要がありません。
ニス塗装でよくある、厚く塗ってサンドペーパーをかけて、コンパウンドで艶を出してという工程が不要なのです。
乾燥によるヒケ、研磨による摩耗を考慮する必要がないため、自分の思うような厚みで塗装することができます。
リアルタイムで塗膜をコントロールでき、木目を感じられる程よい厚さで仕上げられるのです。
メダリオンの銀色がシェラックの淡いベージュでグリップになじみます。
ナットも汚れていましたのでクリーニングしています。
こちら側はグリップ下部に塗装の痛みがありましたが、綺麗に仕上げることができました。
美しい木目も程よいフレンチポリッシュで引き立ちます。
ここは節がありましたが、オリジナルの形状を維持しレストアすることができました。
ウレタンなどで固めたり、オイルを染み込ませると剥離が大変です。
フレンチポリッシュは、アルコールでほとんど除去することができます。
どの手法もオリジナル性を失うというのは一緒ですが、のちのリペアの事も考えるとフレンチポリッシュはよい選択肢だと私は考えています。
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