ワルサーPP極初期タイプ(6)ブルーイング完了

ワルサーPPの極初期タイプですが、これまで地味な各部の加工を詳細にお知らせしてきました。

この極初期タイプのワルサーPPですが、シリアルナンバーは1929年に750000からスタート、11,000丁が1929-1930年の間に生産されたそうです。
この期間に製造されたPPは、少し長いバレル、90度回転セフティ、ワイドセフティレバーなどの特徴があります。
今回は、貴重な極職タイプ750000番台を、マルシンのモデルガンで再現することになりました。

ベース銃は、すでに旭工房さんでスライド平面部分やフレーム後部、フロントサイト、リアサイトの形状修正がされている状態でした。
ここから、これまで紹介したセフティレバー部分のカスタマイズ、刻印、ハンマーの形状加工、バレル延長、ブルーイングなどを施しました。

無事にブルーイングまで完了しましたのでお披露目します。
まずはセフティレバー側から。


スライドの刻印は、ワルサーの旧所在地が入ります。
PPの文字も独立して天地センターに配置されます。

次は、エジェクションポート側。

シリアルナンバーは実銃に存在するであろう番号をチョイス。
依頼者の誕生日でもあります。

斜め方向から。



少し飛び出たバレルが特徴的です。
延長バレルは、スライドを引いても見えない箇所にABSの輪っかを接着しています。
接着だけでは心もとないので、ヒートペンで溶着してしっかり一体化させています。


ブルーイングの色は皆さんの関心事だと思います。
しっかりブルーイングできていれば、光を鏡のように強く反射します。
光がたくさん当たると色は薄く見えることもありますが、ほどほどの光だと鈍く光り、上の写真のように黒っぽく見えます。

トリガーはグルーブ無しのスムースタイプ。
こちらの方がブルーイングに映えますね。

銃口からの眺め。
こちらの写真も黒い金属のような質感を醸し出しています。

crown over Nとシリアルナンバー。
旭工房さん加工のリアサイトはHW樹脂製ですので、ブルーイングできます。
HW樹脂の方がABS樹脂よりも加工精度が良いので、切削加工に向くのでしょうね。

亜鉛合金トリガーガードとHW樹脂の質感合わせ。
実銃もパーツごとに仕上げ処理されるので、必ずしも色や質感は一致していないことも多いですが、そろっている方が美しいのでなるべく合わせます。

今回のカスタマイズのハイライトであるショート、ワイドセフティレバーと90度に拡張した可動域。
セフティレバーは亜鉛合金ですので、他の金属部品と質感が合います。
グリップも元が白いとは思えないほど塗装で黒くなっています。
グリップスクリューのナットも別パーツ化でよりリアルになっています。

セフティレバー拡大。
セフティレバーの可動域の蓋はツールマークを残してあります。

カートリッジインジケーターもブルーイングしています。
ノーマルのはメッキでブルーイングとのコントラストが付きすぎる印象ですので、質感を合わせることで落ち着いて見えます。

 ノーマルはメッキタイプ。

バレルはGスミスSの「Fe」で塗装後、ブルーイングしています。

マガジンにはワルサーバナーを刻印。
私の使っているローランドの刻印機は、カッターでは鉄には綺麗に彫れません。
そういう場合は、ダイヤモンドのアタッチメントを取り付けて引っかくように罫書ます。

予備マガジン2本と完成した極初期タイプワルサーPP。
約10年ぶりに製作しましたが、心血を注いで製作した結果、ますます思い入れのある銃になりました。
まだ数丁マルシンのキットがありますので、違うバリエーションでも製作してみたいですね。

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