タナカのモデルガンM29-6.5インチ刻印・塗装

久しぶりの更新です。
ブログの更新はサボっていましたが、このモデルガン、タナカのABS製M29ににかかりっきりでした。

このタナカのM29、つっこみどころはたくさんありますが、何しろ久しぶりに販売された新しいモデルガンです。
文句は言いません。
細部を追い込むことにより、さらに愛着のあるモデルガンになるはずです。なお、今回のタナカM29は、ABS製でですので、ブルーイングではなく塗装で仕上げています。


タナカM29をお持ちの方はご存じかと思いますが、フロントサイトとその台座が一段低いですよね。
依頼者の方からの指摘ですが、タナカはM29クラシックのフロントサイト部分をモデルアップしているようです。
心なしか大人しく見えるのもこのフロントサイトのせいだと思います。

そこでフロントサイトを切除し、サイトの台座部分をを2㎜ほどABS板でかさ上げしました。
ただ、ここで問題です。
台座部分をそのまま高くするだけでは、かさ上げした部分のセレーションが途切れてしまいます。
最初はヤスリでセレーションを延長しようかと思いましたが、どうしても継ぎ目が分かってしまいます。
またフロントサイト周辺はよく目が届く部分ですので、手彫りではどうしてもアラが目立ってしまいます。
そこで、台座からバレル基部までのセレーション(要ははバレル上部のセレーション)すべてをくり抜き、新たにセレーション加工をしたABS板を貼り付けています。


フロントサイトは、ただ接着するだけでは少しの衝撃で取れてしまいますので、台座部分に3㎜ほどの溝を作り、そこにはめ込んでいます。(もちろん継ぎ目は消してあります。)


そしてこのカスタムのハイライト。シリンダーのカウンターボアード化です。 CNCフライス盤にて、シリンダーを輪切りにした状態の物を、ABS板より削り出します。これをシリンダーに貼り付け成型しています。
カウンターボアードが再現されますと、そのままではフレームに収まりませんので、フレームラグも別パーツにて新造しています。

細かいですが、リアサイトにも不自然な隙間があります。
これは、リアサイト取り付け位置を、フロントサイト側へ移動することにより、ちょうどいい感じにしました。

また、カウンターボアードの頃はバレルピンがありますので、それも別パーツで再現しています。


このバレルピン。写真を撮ってる最中に付け忘れたのに気づきました。。。
この写真はバレルピンを取り付ける前の写真ですが、ご容赦を。
(その他の写真も同じくです。)
カウンターボアード分かりますか?
下の写真だと、フレームとシリンダーの隙間で分かると思います。

タナカ製のエンブレムは正しいSWですが、一部の表記が、「TANAKA~」となっていましたので、全部切削後、正しい文字に再刻印しました。
タナカ製M29はサイドプレートは金属ですが、綺麗に仕上がってくれました。
また、刻印を消すためにサイドプレート側を多く削っています。
これにより大きすぎるトリガーガードの形状が落ち着きました。


ブルーイングにはかないませんが、塗装でも乾燥後の研磨により結構金属感が再現できます。
ブルーイングモデルガンはコントラストが高くドラマチックな風貌になりますが、塗装仕上げのモデルガンも、これはこれですっきりしていて良いと思います。
塗装は詳しいサイトがいろいろありますので、工法などはそちらを参考にして下さい。
取り立てて特別な事はしておりません。
今回は、キャロムショットの塗料を2種類使用しております。

ところで、さすが最新設計のモデルガン。
ヨークとフレームの隙間の少なさは好感が持てます。


Kフレームと比べると明らかに大きく、「マグナム」というにふさわしい迫力です。
迫力ばかりではなく、すらりと伸びたバレルとフレームのバランスがよく思ったよりもスリムに感じさせてくれます。


 さて今回のM29いかがでしたでしょうか?
個人的には、箱出しとは全く別物の印象に変わってくれたと思っています。
これならば、ダーティーハリーファンにも満足いただけるのではないでしょうか。

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