グリップのリフィニッシュの前に
ツイートしていたように、ハートフォードのモデルガンM19をブルーイングしていましたが、それと並行してグリップのリフィニッシュもしていました。木製グリップはどんどん良い状態のものがなくなり、オークションなどでも高値で終了するようなことが多いです。
リンク先のマックジャパンはまだまだ良心的な価格ですが、入荷してもすぐに売り切れになっているものも少なくありません。
完璧な状態のものはほとんどショップには並ばず、手に入れる機会も少ないです。
普通に手に入るものは、どこかに塗装の剝げや傷があったりで、飾っておくときにも気になります。
今回のグリップはかなり綺麗なものだったので、手を入れるのをためらいましたが、色味を変更する必要もありリフィニッシュもかねてきれいにしてみました。
作業開始
実銃のグリップは、ハードな使用や鉄で作られている銃自体が擦れたりで、ダメージを受けているものがあります。今回はチェッカリングのダメージはありませんでしたが、塗装剝げは散見される状態でした。
また、あくまで実用品のグリップ。
削り痕が残っていたり、仕上げはそこまでよくありません。
飾って楽しむモデルガン、このあたりも手直ししてきれいな状態にします。
それでは作業途中の写真です。
真ん中はすでに、サンドペーパーをかけ下地処理が済んでいるものです。
木材はなんでしょう。
ウォールナットよりも目が詰まって重いような気がします。
ブルーイングには一番下のコンカロ材のような赤っぽい色が似合うので、この色調を目指します。
チェッカリングも塗装剥離を兼ねて軽くさらっておきます。
塗料の準備
塗料は、匂いのきつくない天然素材のシェラックにて行います。合成樹脂塗料ほど塗幕は厚くならず、上品に仕上がります。
シェラックはカイガラムシの分泌物を精製したものですが、天津甘栗の光沢材、薬のコーティングなどにも使用(wikipediaより)されているもので、安心できる塗料です。
私はギターの塗装で使っております。
ホームセンターで「シェラックニス」として液状のものが売られていますが、これには合成樹脂や有機溶剤が入っています。
このあたりはこだわって、純度100%のフレーク状で売られているシェラックを使用します。
これを無水アルコールで一晩かけて溶かします。
シェラック塗料の調合
シェラック自体は薄い黄色ですので、木材に塗ったときに色味の変化はほとんどありません。
ゴンカロ材のような色調に近づけるために、顔料を加え調色していきます。
顔料はなかなか手に入らなかったので、エプソンの顔料(染料ではなく)プリンターインクのマゼンタとブラックを使用しました。
端材に塗りながら調色しましたので、どれをどう入れたかは覚えていませんので、また次にまったく同じ色を出せと言われれば困りますね。
塗るのは筆ではなく、左端の照る照る坊主の様なタンポを作り、これで摺りこみます。
筆では大量の塗料がつき過ぎて木が塗れ膨張するので、きれいに仕上がりません。
タンポに少量シェラックを付けて、少しずつ塗幕を育てていきます。
このタンポは、シェラック仕上げのときは必需品です。
四角く切ったいらないTシャツなどの中に、丸めた綿やウールをいれ作っておきます。
塗装開始
タンポに最初にこれくらいのシェラックを含ませ、全体に擦り付けていきます。あとはスポイトで2滴ほど追加しながら、2日に分けて百回くらいこれを繰り返します。
これにより薄い塗幕が幾重にも重なり、やがて美しい艶を生み出します。
途中で解けたシェラックでタンポが動きにくくなりますが、オリーブオイルを1滴垂らすと滑らかになります。
オリーブオイルは最後にはアルコールで拭かれますので、塗装内部に残ることはありません。
どうでしょうか。
色艶はもちろん、ブルーイングにも合うような色味にもなりました。
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