哀愁のコンバットマグナムは蒼く光り輝く



チーフスペシャル(M36、M60など)、
ボディーガード(M49など)、
センティニアル(M40など)、
コンバットマスターピース(M15)。
ハイウェイパトロールマン(M28)
Smith&Wesson社のリボルバーにはほとんど愛称がついています。
この愛称は、「シリーズネーム」というらしいですね。
中でも日本で有名なのは、「コンバットマグナム」(M19)でしょう。

コンバットマグナム

ここ日本で、この銃の使い手は何といっても、ルパン3世の次元大介ではないでしょうか。(次元の愛銃はM27ともいわれますね)

ルパン三世 2nd series 第99話 荒野に散ったコンバット・マグナム【動画配信】

アニメのタイトルにもなるくらいの銃です。
次元は、M19の手入れを欠かさず、体の一部のように扱います。
(でもこの回は、次元より短期間でM19分解できたルパンのほうがすごいような気がします。)

テーマは「哀愁」

ところで、モデルガンを仕上げるときには、重要なことがあります。
1.資料を集める
2.技術的なことに気を配る
3.段取りを考える

私の場合、製作は長期間に及びます。
長い期間があくと、自分がどういう作品を製作しているか
忘れてしまうこともあります。
そういうときのために、大まかなイメージを決めておくと、
仕上がりがブレないような気がします。

ブルーイングは「妖艶」、「豪華」、「気品」
塗装では「質実剛健」、「頼れる道具」などでしょうか。
大そうなものでもなく、しかも大雑把なものですが、
刻印などの仕様と一緒にカードに書いて、その都度見れるようにしています。

次元大介は、いつもソフト帽を深くかぶり、
足を組んで寝転んでいるクールなイメージがあります。
「荒野のコンバットマグナム」でも、決闘のシーンといきさつなどは
哀愁が漂います。
そんな次元のイメージから、今回は「哀愁」で製作しました。


素材はHWSのM19組み立てキット

今回の素材は、おなじみのハートフォード製HW樹脂組み立てキットです。
フレームラグが一体整形の旧タイプを使用しています。
古い金型で埋もれがちな、リアサイトのセレーション、ハンマーのチェッカリングなど
細かい部分も目立ててシャープにします。

刻印

現行のSmith&Wessonのwebサイトこちらの面が
標準イメージとなっているようですね。
今回のはM19-3をモデルにしているので、
ロゴマークがサイドプレート側につきます。
個人的にはこちらの方が好みです。
アドレスの刻印は、「&」の文字が横長タイプです。

シリアルナンバーも、実在するM19-3を調べて刻印しています。
この刻印部分、実中では手で打刻しているのか、重なったりしていることもよくあります。(今回参考にしてものもそうなっていました。)
ただ、そこまでモデルガンで再現すると「失敗」の雰囲気が漂います。
ぎりぎり重ならないくらいで再現しています。
(以前製作したM19も同じタイプでした。
ただしシリアルナンバーは異なります。)

ブルーイング完成

フロントサイトにレッドポイントは入らない仕様です。
ハンマーやトリガーは一旦白磨きした後、
ブルー液でケースハードゥン模様を再現しています。

ブルーイングは色味については判断が難しいです。
上の写真はどちらかというと青みがかかって見えます。
ところがライティングをかえると黒っぽく見えます。


パイソンやM586などはシュラウド部分がマズルまで伸びています。
M19はここに段があります。
ブルーイングは複雑な形状のほうが、光を増幅してより輝きます。
平面部分よりも、曲面が複雑に入り組む部分のほうが美しいのです。
その点でもブルーイング向きといえるでしょう。

お約束のシリンダー面の反射
「荒野のコンバットマグナム」ではシリンダーが撃ちまくられます。
あれだけ撃たれればひどい状態でしょうが、
このコンバットマグナムはこのとおり。

きわめてスタンダードなリボルバーで、
金型の古いハートフォードコンバットマグナムですが、
各部を丁寧に仕上げることにより、長年手元においておきたいモデルガンになることでしょう。



2 件のコメント :

  1. はじめまして。

    素晴らしいブルーイングです。
    主様のブログのメッキ塗装をメタリックシルバーネクストのシリンダーを見てニッケルモデルが欲しくなってしまいました。

    私のM19もブルーイングしてもらいたいです。

    ご依頼するにはどうすればよろしいでしょうか?

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    1. joe 様
      コメントありがとうございます。
      メッキシルバーNEXTは作品としては試せていませんが、シリンダーに塗った際も、個人ができうるメッキ仕上げとしての可能性を感じました。
      ご依頼は、vincent@otonagai-mg.comへメール頂きましたら、ご返信致します。
      よろしくお願い致します。

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